オースチン・レポート
現在テキサス大学にて政治学を専攻し、3年間の留学生活を送っている水口健さんがレポートするオースチン・アラカルトです。水口さんは昨年のジャパン・ナイトに来ていた元ロック少年です。
▼おすすめスポット
 オースティンは音楽の街であると同時に、人口約60万人のうち5万人が学生という学生の街でもあります(ちなみに人口はボストンやシアトルよりも多い)。したがってブッシュ大統領に代表されるようなテキサスの保守的なイメージとは反対に、多様な価値観を許容する大変リベラルな文化が育まれています。実際、前回の大統領選挙ではオースティンはテキサスで最もブッシュの得票率が低い都市だったし、また昨年の反戦デモはテキサスで一番盛り上がりました。以下ではそんなオースティンの意外(?)な側面が垣間見れるようなスポットを紹介したいと思います。
 まずオースティンには個性的なカフェがたくさんあります。その代表格とも言えるのがLittle City(916 Congress Av, or 2604 Guadalupe St.)。オースティンのゲイコミュニティ関係の人々が運営しているらしく、店員は皆オシャレで、そういう系の新聞が置いてあります。またSpider House(2908 Fruth St.)は照明暗めの隠れ家的なカフェで、夜になると裏庭のステージでバンドの演奏が行われます。さらに個性的な内装のMetro(2222 Guadalupe St.)は、この嫌煙社会アメリカにあって室内喫煙可で、しかも24時間営業です(ただし夜中は得体の知れない人が多いです)。
 またオースティンには古着屋も多くあり、日本からバイヤーも買い付けに来ているそうです。Buffalo Exchange(2904 Guadalupe St.)はあまり選りすぐられていないものの、値段が安く量も多いです。リーバイスの現行の501の古着で15ドルくらいです。それに対してDenim Edge(2354 Guadalupe St.)は値段は安くありませんが(それでも日本に比べたらかなり安い)、選りすぐりの古着が買えます。僕はここでリーバイスのBig Eのジージャンを36ドルで見つけました。タトゥー屋もこの近くにあります。
 さらにレコード屋ですが、オースティンで一番有名なのが、Waterloo Records(600 N Lamar Blvd)。インストアライブも頻繁に行われています。Antone's Record Store(2928 Guadalupe St.)はブルースの世界では大変有名な中古レコード屋で、掘り出し物に出会えるかもしれません。また楽器店ですが、巨大楽器店としてMars Music(1000 E 41st St.)があります。ギターなど勝手に自分でその辺の気に入ったアンプにつないで好きなだけ試奏できます(ピックは貸してくれないのでお忘れなく)。その規模の大きさに驚かれることでしょう。マニアックな方向けには、Ray Hennig & Family Heart of Texas Music Inc.(1002 S Lamar)。SRVことスティーヴィー・レイ・ヴォーンが彼のストラトキャスター"No.1"を購入した店です。
 これぞテキサスという食べ物というと、ステーキを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際テキサスではステーキよりもBBQの方がポピュラーです。結構郊外ですが、County Line(5204 FM 2222)が有名です。またテキサス名物として忘れてならないのはTEX-MEX。TEX-MEXとはテキサス風メキシコ料理で、メキシコ料理にはないチーズをふんだんに使っています。Trudy's(409 W 30th St.)やChuy's(1728 Barton Springs Road)が人気があり、特に後者はテキサス大学に通うブッシュ大統領の娘が偽造身分証明書を使って未成年なのに飲酒をしようとして捕まったレストランとして有名です。TEX-MEXにはテキサス・メキシコ名物の冷たいマルガリータがよく合います。
 現在のオースティンの音楽の中心地は6thですが、かつてはそれよりも東にありました。そこはイーストサイドと呼ばれる黒人居住区で、今でもライブハウスが何軒かあり、黒人が黒人のためにブルースをやっています。彼らに言わせれば6thは白人がブルースの真似事をしているか、黒人が「出稼ぎ」に来ている場所だそうです。ただし治安が非常に悪いので要注意。場所はI-35(高速道路)を東に越えた、11th〜12thあたりです。オースティンで最もディープな場所といえるでしょう。

▼治安・気候
 交通事故で死ぬ人の数よりも銃で死ぬ人の数の方が多いというテキサスにあって、オースティンの治安は日本の大都市と同じくらいで、概して安全といえると思います(ただしI-35の東側は危ない)。夜中の2時でも女子大生がジョギングをしているくらいです。むしろ気をつけるのは警察の方で、例え夜中でも車を運転していて一旦停止を怠るとパトカーが張っている可能性があります。ちなみにアメリカでは車の中はプライバシーの領域と考えられているので、飲酒検問はありません。ただし変な走行をしているとパトカーに止められるのでご注意を。あと、盛り場といえども屋外で酒を飲むのは禁止です。見つかると警察に怒られます。
 気候についてですが、オースティンの3月はだいたい日本の5月です。つまり日中は暑く夏日になりますが、夜は涼しく上着が必要になります。ただし極端なのがテキサスの気候の特徴で、3月なのにすごく寒かったり、逆にすごく暑かったりと予測ができません。またこの時期は花粉の飛来が多く、日本で悩まされている方はオースティンでも悩まされるかもしれません。テキサスといえば砂漠とか荒野をイメージされるかもしれませんが、オースティンは緑豊かな丘陵地帯にあります。

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